大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)546 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。

理 由

被告人Aの弁護人吉沢喜作の上告趣意は第一、第二とも事実誤認の主張に外なら

ず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。被告人Bの弁護人飯村義美、同小林彌之助

の上告趣意第一点は憲法違反をいうけれど、証人Cに対しては第一審で被告人に反

対尋問の機会の与えられていることが記録上明白であるばかりでなく原審も亦第一

審も適法になされた証拠調の結果に基ずき証人Cの公判における供述を採用せず所

論Cに対する検察官の供述調書の記載をとつて事実認定の資料としたものであるこ

とが窺われるのであるから所論は事実審がその裁量権の範囲内で適法になした証拠

の取捨判断を非難する単なる訴訟法違反の主張に帰着する。同第二点は憲法違反を

いうけれど、所論被告人の検察官に対する供述が強要によるものたることを認むべ

き証拠は記録上存在せず、所論はその前提を欠き、また同第三点は量刑不当の主張

であり、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一

一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条(但し被告人Aに対して)によ

り裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和二八年六月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!